生存戦略

皆様、おはようございます。

星見です。

この本はとても面白いですよ。

今現在の、世界のお金持ち(支配者)たちが何を考えているのかが分かります。

どれくらい、お金持ちなのかというと、ビリオネアの方たちです。(保有資産が1500億以上)フォーブスが発表した2024年のビリオネアが、2781人です。この人達の思想が分かる本という事です。

当然、全員がそういう訳ではないですが、ある程度現代社会を反映しているのではないかと思います。

著者であるダグラス・ラシュコフさんは、ニューヨーク市立大学教授で、デジタル経済やメディアの未来を専門とする学者で、簡単にいうと、現代のスーパー知識人であります。

この本は、とあるビリオネアの5人(おそらくIT長者)が、彼をとある、だれも知らないような中東砂漠のど真ん中に作られたリゾート地に、貸切で講演会を依頼する所から始まります。講演会といっても質疑応答のQ&A形式で1対1で行われます。

それが、ビリオネアたちの中で話題になり、その金持ちたちから続々と話をしたいと依頼されたラシュコフさんが、そういった金持ちというのは、どういう人達なのかをまとめた本になります。

こういった本は、今世界がどのように動いているのかを知るためにも、とても面白い本です。立ち読みでいいと思います。

この話で面白かったのは、昔の支配者というのは民も含めた中での「富」であったし、ちょっと前の会社組織というのも従業員を含めた形での「富」であったのに対し、今の支配者は、そういった人とは断絶した形で、誰も幸せにならない形での支配であるとのこと。

つまり、昔の支配者は、貴族でも国でも、その地域に住んでいる人の事を考えて政治をしなければいけなかった。

イオンみたいな大きいモール型の商業施設が出来たおかげで、町の商店街はどんどん追いやられて行った。アメリカではウォルマートがその役割を果たしたそうですが、彼らは徹底的に安く客に商品を提供し、町の店が潰れていった後に商品価格を上げて、従業員の給料も下げていった。これも一見悪質に見えるが、これでも授業員はちゃんと雇い、雇用を守らなければ成立しなかった。

しかし、現在のAmazonになると、それらも超えていき、従業員ではなく下請けとしての雇用契約を結んでいればいいので、下請けの働く環境がどんどん劣悪になっていく。

しかも、人々は便利である世の中期待しているので、Amazonがダメになる事は今のところない、これが配達業だけでなく、動画配信サービスなど、多くの物がそうなってきています。

ちょっと前に、無印良品が、「新疆綿」を使っていることが問題になった事がありましたが、要は差別され収容施設に隔離されている人達に安価で質の良い製品を作らせている裏側なんてものは、見えない様になっています。

そういえば、服飾業界の闇部分を取り扱った映画がありましたね。名前は忘れました。

つまり、技術が人々のコミュニケーションを円滑にし、より良い世界を作っているようにみえて、現実は人は人との間をどんどん疎遠にしてしまっている。製品の裏側は極端に隠されて見えなくなっています。

データの商品化や人間関係の数値化が、コミュニティや相互扶助を弱体化させ、個人主義を加速させる様に言っています。

話は、変わりますが私はここ数年、こういうものに凄く関心があるんですね。

ここで、面白いのは、そういったビリオネアの人達は、そうやって世界が歪んで悪くなっている事には気付いています。そしてそのうち近い将来に、終末(社会崩壊)が来ると信じています。

しかし、その中で生き残るのは自分達であると思っているのです。

それは、シリコンバレーに根付く、十分な資金と技術があれば物理や経済、倫理の法則を超越できるという信念である「マインドセット」であるそうです。

イーロンマスクやジェフベゾスは火星移住ですし、ザッカーバーグはメタバースの世界でそれを成し遂げようとしているようですね。

一見凄い計画のようですが、日本人でもいますよね。日本危ないからシンガポールに移住した人やフランスに移住した人。まぁ人間考える事は、金持ちでも賢いと言われている人達でも大差ないとは思います。

東日本の震災の時にも一斉に移動した人達もいましたよね。

そして、彼らは前述のとおり、国民や民、従業員、一族を守る必要はなく、個人や家族程度の安全しか考えていないことになります。

面白いのが、彼らは基本的に、周りからは成功しないだろうとか、難しいと思われている事で成功してきた人達なので、いくら周りがそんな終末論はバカらしいといっても、聞かないところです。

これが、今の支配層という事です。

あまり勘違いして欲しくないのは、私はこれが別に良いとも悪いとも思ってません。

社会が崩壊した後、自分達はシェルターにこもり、それを外の人から守るために、セキュリティロボットにするか、傭兵などに首輪をつけて制御するのかを真剣に議論し、社会崩壊が起こらないようにはどうすれば良いのかを考えない所が、人間らしいなと思います。

西洋人というのは、ゾンビが町にあふれるとか、マッドマックス的な略奪な世界観がくると本気で信じているんですね。

私はそうなると、最初はカオスかもしれませんが、結局みんな助け合わないと生きてはいけないで、コミュニティを乱す人や嫌な奴とかが排除されるだけだと思います。

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