能力主義は平等か

皆様、おはようございます。

星見です。

はい、皆大好きマイケルサンデルです。私なんかも若かりし頃に、正義の話をしようでやられた人間です。

知らない人の為に、一応この本を紹介します。

勝者と敗者の格差がここ数十年に非常に拡大したという本になります。

この能力主義というのは、とても崇高であり、チャンスが平等であれば、勝者は価値に値するという考え方です。

競走の激しいグローバル社会の中で、トップを立つ人は、自分の成功は自分の力であり、それによってもたらせられる利益も当然であると考えます。

逆に、そこから取り残された人達、負けた人達もなるべくしてなったと考えられます。

こういった事は、自己責任論という事になりますが、自己責任論というのは勝者の理論でもあるのです。

そしてこの不安定な経済状況の中での負け組たちには、とても無慈悲なものです。

よって、勝者は、より傲慢になり、謙虚さを失い、敗者は、劣等感や屈辱感を植え付けられます。

世にあふれている、情報商材のやり口はこれですし、起業家たちや、会社経営者たちも、須らくみんなそう思っています。努力が足りないからだ、出来ないのはお前が悪い、俺の様にやればお前も成功できると彼らは本気でそう思っています。

福沢諭吉もにたような事いってますね。

一応日本も、この当たりに西洋化を始めたので、この形で今もやってきています。

みなさんも、勉強が出来る人は、勉強を頑張っているからだと思っていると思います。

では、これを昔ながらな封建的社会や身分社会のときはどうだったのでしょうか。

おそらく、その時代もそういう事はあったと思いますが、今ほどではないでしょう。

しかし、この封建的社会や身分社会は、人々の運命や偶然、血筋で決まる不公平なシステムです。なのでこの能力主義の社会というのは、ある意味公平さがある社会と見れます。

「より自由へ」という形でしょうか。まぁこれが、ざっくり言うところのフランス革命以後の自由と民主主義の関係といった所であると、私は解釈しています。

しかしその分、失敗は自分のせいとなり、モテないのは努力が足りないからで、お金がないのも努力が足りないからで、今おかれている状況が悪いは努力が足りないからです。敗者たちは、どんどん自信を失っています。

そして成功者は、自分の力で成功したので、先生のおかげでもなく、親のおかげでもなく、地域社会のおかげでもなく、国や時代のおかげでもなく、自分のおかげで成功できたのです。勝者たちはどんどん傲慢になっていきます。

みんな、大谷選手と全く同じ時間を過ごして、大谷みたいになれますか?

不可能ですね。持って生まれたスペックが全然違う。また、今みたいに野球が評価されていない時代に生まれた時を考えてもわかりますよね。もしかしたら、日本ラクロス史上、世界的にみても凄い選手が今いるとしてもほとんどの人が知らないでしょう。

また、東大生の入学者における、親の収入が高いのは言うまでもありません。

元々、その能力自体は神がアナタに与えたギフトであったので、人々はそこまで傲慢になれないですが、現在は自分で勝ち取ったものなので、傲慢になって当たり前であるという考え方が当然といえば当然です。

そして、その勝者であるエリート層は、敗者である非エリート層を知らず知らずのうちに見下しているというのが根本的な今のアメリカ問題です。

ここまで言うと、エリート層が悪者であるかのように聞こえますが、彼らは彼らなりに考えていおり、別に差別しているつもりはないでしょう。敗者は負け犬でありますが、より能力主義が公平で平等であるためには、貧困や差別で苦しむ別の地域の人達に手厚くしていくのです。つまりは、移民問題なんかもそれですし、この自由と平等という理念と権威主義や独裁的な国家と戦うというのが、この数十年の我々の考え方でしょう。

勝者は勝ち続け、敗者は負け続けるこのによって、自由と平等を理念としていた国の人々が、計り知れない格差によって、超絶貧乏になり、苦しみ、人間関係もバラバラになってしまったということです。

簡単にうと、お父さんが崇高な理念を持っていたが、家族が凄い割りを食らって、皆が苦労してきて、現在離婚の危機。みたいな状況でしょうか。お父さん自体は凄い稼いでいるのに、全然家計にお金を回してくれない。お前より困ってる人が世の中には沢山いるんだ、もっと努力しろしか言われない。お父さんが稼いだ金は、お父さんの力によるものなので、口出し無用。隣に来た外国からの移民には、私より良いご飯も服も着させてあげる。

これが出来たの天理教の教祖様だけじゃね?

しかし、能力主義を捨てることもできません。飛行機のパイロットは上手な人にしてほしいし、下手な歯医者に行きたくない、能力が高い人を求めるのもまた人間です。

ここで少し面白い話がありまして、公平なチャンスが一番無いのがアメリカなのに、努力が一番大切だと思っているのもアメリカらしいです。逆にフランスなどは、そんなの運でしょって思ってる人の割合が凄く高いらしいですが、公平なチャンスはアメリカなんかより全然高いそうです。

それは、現在の我々は神の元平等であるという「神」を持っていないので、どうやって皆平等でやっていくのかという事をみんなで悩んでますが、この辺が西洋的な思想の限界かもしれませんね。

「神」というものを信じるとか信じないとかはとてもレベルの低い話なので、現代の日本文化を知る上でも、もちろん海外文化を知る上では、この「神」というものを知らなければ、中々理解できません。

むしろ、「神」というものを利用して考えると、とてもすんなり分かります。

ここで言う神はシンボル的な神です。神について詳しく知りたければ、他を当たって下さい。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次