皆様、おはようございます。
星見です。
2年ぶりくらいに会いました。
2年前の彼は、いかにも仕事が出来る感じのいで立ちでクール極まりない。
清潔感と高級感を醸し出す、いかにも、エリート街道の風を肩で切って歩くタイプ。
わざわざ遠くからきたので、ありがたしと思っていたのですが、集合場所にひと際デカい大男が、遠くから歩いてくる…
UMAか!まさかこんな街中に!!。
アンドレ・ザ・ジャイアントと呼ぶべきか、ジョン・レノンと呼ぶべきか、はたまたキリスト?的なウェーブがかった長髪に、CWニコルのようなヒゲ、Tシャツを着ていても分かる胸筋の凹凸は、まさに天空の城、雲海に漂う備中松山城。
袖から見える腕は、糸魚川断層のごとく隆起し、浮き出る血管はまさにフォッサマグナ。
デカい奴が着ている、スウェットっぽい動きやすそうな恰好は、どんなブランドの着こなしをも凌駕する圧倒的な存在感。体こそが最高のファッションである事は火を見るよりも明らか。
私の体が言います。コイツとは戦ってはいけない。脳より先に体がアラートを出します。
私の生存的本能を刺激され、びくびくと震える小鹿のような私に、「〇〇さん」
おおぉ。大男が天高く空に拳を上げている。
やはり、圧倒的な強者となったものは、最終的は天に挑むのが定めなのか。これは現代版イカロスの翼なのだな….
「〇〇さん!!」
なんと、その大男は私の名前を呼んで、私に近づいてくるではないか!私の命もここまでか、、、
「〇〇さん!久しぶりですね!」
その引きつった様な笑顔、人をまるで信用していない目、
なんと、その男は、よく見ると久しぶりに逢いし友達ではないか!
「●●くん久しぶりじゃないか!どうしたんだその体は、この不安定な時代に確かな物を獲得する為に、筋トレ始めたのか?」
「いや実はずっと筋トレはしてたんですけど、今年の3月から回数増やしたらデカくなってしまいまして」
コイツは一体何を話しているのだ。これは日本語なのか?たった6か月でそんなにデカくなるのか?まだ見ぬ人間の限界に挑戦しているのか?
私の心がざわついている所に、その彼が言います。
「〇〇さん、サウナ行きましょう」
おいおい、2年ぶりに会って初手サウナってなんやねん。藤井システムくらいビックリするわ。
「●●くん、いいけど、私は何も持ってきてないよ?大丈夫なの」
「大丈夫です!予約も済んでます」
….この感じ。こやつは週1サウナに行ってるな….
~~~サウナにて~~~
「●●くん、やばいねその胸筋。かまぼこが2つついてるじゃん」
「いやぁまだまだですよ」
「ところで〇〇さんは鍛えたりしないんですか?」
きた!絶対に言うと思ってた!!やってる奴のやってるマウント!!キタキタ!!!!!!
「い、いやぁ、実は僕も最近ダイエットしてて…..」
「凄いじゃないですか!じゃそろそろ筋トレですね」
眩しすぎる、太陽がこの俺を溶かそうとしている。この善意に満ちた悪意が俺の体に変われと言っている。正論という暴力によって、私のだらしない体が今、白日の下にさらされようとしている。
「そ、そ、そうだよね。そろそろ筋トレ始めなきゃだよね」
言ってしまった。言ってしまったのだよワトソン君。
ダイエットしかしないつもりだったのに、私は同時に体の改造する事になったのだ。
最終的に、彼はまた1年後か2年後にまた来ますとだけ言って、新幹線に乗って帰って行った。
彼は、約束は違わない男だ。必ず来るであろう。
その時、私の体が今のままであれば、鼻で笑われてしまうのだ。
わざわざ、サウナとごはんを食べる為だけに、来る人間もどうかとは思うが、そこの理解できない感じが、天命に近い気もする。
はい。やります。
ダイエットと一緒に体を改造します。筋肉ムキムキじゃない方向で行きます。
星見、やるってよ。